かなしすぎる

2011年2月21日 日常
彼が長い間同棲していた年下の彼女と別れ、7つ年上の女性と一緒に暮らし始めたのは3年程前だったと思う。

長く生きているからか?
経験が豊富だったからか?
見事な略奪愛劇に私たちには見えた。

それからまもなくして、彼は会社の人員整理にあい、看護婦をしていたその彼女のヒモ同然のようになってしまった。

確かに35歳を超えての、新しい職探しは大変だったのかもしれない。

パチンコ屋さんで、彼女の仕事終わりを待つ彼を何度か見かけた。

もともと線の細い彼が更に細く青白くなっていた事は何気に気が付いていた。

癌だった。

それがわかった時にはもう既に手遅れだったらしく、手の施しようが無かったそうだ。

一度目の入院。

そして退院。

彼女に負担をかけたくなかったからなのか?
医療保護は受けていたと聞きました。

二度目の入院。



そして、彼女が彼を捨てた。


最期というのが、目の前に迫ってきている彼をあっさりと。


看護士をしている彼女が。

もしかすると、彼が突き放したのかもしれない。

そして、彼はそれから半年後、一人寂しく、誰にも気付かれないままに、病院のベットで息を引き取った。


朝、看護士さんが気がついたときには、死後硬直が始まっていたという。


そのまま、慌しく葬儀の準備が始まった。


彼の親は幼い頃に離婚して、彼はおばあちゃんに育てられた。

そのおばあちゃんもいない。

天涯孤独。

少し血の繋がった親族が葬儀をしてくれたという。


本当にちいさなちいさな葬儀。

そして、お棺の中には、首の形が不恰好なままの彼が眠っていたという。



人生はプラスマイナスゼロで終わると思っていたけど、そんなの嘘だ。

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