気持ちはわかる

2008年5月29日
殿の所で働いていたたっちゃん(17歳)が
「俺大工になります!」
と言って、大工さんの所に弟子入りしたのは、今年のはじめ。

電気屋さんとして一緒に働くようになって、やっと
「たまにはたっちゃんに現場を任せて、営業に行こうかな〜♪」
なんて、喜んでいた矢先のことで、殿はちょっとショックを受けていた。

でも、
「自分の所で働いて、大工さんの仕事を見て、そう思ったらしいし、やりたい事が見つかってよかった」
と喜んでたっちゃんを大工さんの弟子として送り出した。

そして、たっちゃんと入れかわりで、たっちゃんの友達のりょうちゃんが、殿と働く事になった。

やっぱり、たっちゃんは殿のお気に入りだったのか、(まぁもちろん仕事の覚えも良かったし、礼儀もちゃんとしていたしね)
「りょうはなー。たっちゃんだったら〜」
なんて、最近も良くぼやいていた。

そのたっちゃんが、
「俺、大工になるの辞めることにする」
と、友達のりょうちゃんに話をしたそうだ。

「親分(殿の事)には、紹介してもらったのもあるから、ちゃんと俺から話すから、まだ言うなよ」

と、りょうちゃんには話をしたらしいが、そのりょうちゃんから電話がかかってきた。

その電話以来、ずーーーーーーーーんと落ち込む殿。

「俺が甘やかしたのが悪かったとかねー」
と言っては、何かを考えている。

「なんで、自分が悪いって思うん?」
とたずねると、
「やっぱりさ、定時制とはいえ高校生やん?俺がその年齢の時って遊びたい気持ちが先やったけんさ、現場が遅くなりそうな時とか『先に帰らんね』とか、何かイベント事(クリスマスとか、何かしらの記念日)があると、『彼女が待っとるっちゃろ、もうあがっていいばい』って帰しよったもんなー。今、朝早くて夜も遅いらしいっちゃんね。しかも、上についてる人間と合わんってこの間もぼやきよったもんねー。給料も安いらしいしな。」

「社会人として働く一番最初が俺の所やったけんさー」

確かに。

殿の所で働いている時は、すんごい条件が良かった。
いや良すぎだと思う。
私が働きたいくらいに(笑)

「たっちゃんが大工になったら、一緒に仕事しようって話よったとになー」

と悲しそうに話す殿。

「その気持ちはわからんでも無いけど、今たっちゃんもがんばり時だと思うし踏ん張り時なんじゃないんかね?自分で考えて出した答えがこれからの自分にどうなるかとかさ、経験していく所やん。何か相談を受けたら、ちゃんと誠意を持って答えてあげればいいやん。何とかしてやろう、また自分の所に戻って来いとかだけは言っちゃいかんやろーね。しんちゃんだってさ、自分でいろんな事経験して来たやろ?それが、今の自分のためになってるのはわかってるやろ?」

と、ちょっと強く言い過ぎたかもしれないけど、私の素直な気持ちを言った。

その後、たっちゃんの話はしていない。
殿から話をするまでは、私は何も言い出さないでいようと思っている。

たっちゃんがそのまま、大工さんを続けてくれる事を私も祈っている。

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